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お祭りの幕にふさわしい「赤」の研究

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こんにちは、祥雲です。

みなさん、春祭りシーズンどうお過ごしになったでしょうか。気づけばもう五月、今年も梅雨が近づいてきました。

さて、お祭りOFFの間にお勉強でも、ということで、あまり語られることのない幕の「赤」そして幕の裏地・取付について紹介したいと思います。

■ 羅紗(らしゃ)とは?

羅紗とは、厚手の毛織物の総称です。祭りで使われるものはウール(羊毛)がほとんどです。生地になってしまうと意識しませんが、もともとは羊のたいもう!忘れないでメェ~🐑

さて、毛織物というワードにご注目。「織物」という言葉が入っています。つまり、糸を縦横に通してつくられた布地のことを言います。

よく似たものに「フェルト」があります。決定的な違いはフェルトは「織物でない」という事です。繊維のからみ合う性質を使った布地で、引っ張ったりすると形が崩れやすいです。

羅紗は織ったあとに織り目が目立たないよう毛を立てます(起毛)そのあと余分な毛足をカットして表面はフェルト状にして仕上げています。パッと見て羅紗かフェルトか分かりにくいのはそのためです。丈夫さ & 耐用年数ともに圧倒的に羅紗に軍配があがります。

縦糸と横糸があるのがわかりますでしょうか?

【 おまけの豆知識 】
 もうひとつ似たものに”毛氈(もうせん)”という物がありますが、これはフェルトの強化版といったところで、熱や圧力をかけて固めたもので、じゅうたんなどの敷物などに使われています。幕にするにはちょっとおすすめしません。


■ お祭りの幕にふさわしい「赤」の研究

ひとことで「赤」といってもいろいろありますね。

明るい赤・暗い赤・紫がかった赤などなど・・・さまざまです。いろいろなお祭りでたくさんの幕を見てきた経験から「これだ!」という色を決めました。そして厚み・触り心地・丈夫さをふくめ、祥雲ではオリジナルの羅紗を織っています。

というのも、国内での毛織物の需要(コートなど)も徐々に減ってきていて、きちんとした同じ品質のものがすぐ手に入るわけではない、という実情があるからです。特に色は染料の具合もあり、いつも同じ色が出るとは限りません。

こんな色のコートみたことありませんか?最近はダウンジャケット全盛なので、なかなか見かけないかもしれませんが、毛織物の良さが見直されるといいですよね。


さて、少しお話がそれましたが、祥雲ではこんな「赤」がお祭りの幕にふさわしいと思っています。

■ 太陽の下でも明るすぎない
■ 重厚で力強い
■ 山車の持つ魅力を引き立てる

抽象的な表現ですみません(笑)
とはいえ、私たちが色々なお祭りで素晴らしい幕をたくさん見てきた上で、いくつもの中から選んだ「赤」です。

今日ご紹介させていただくのは、愛知県の阿久比町は萩地区の「大山車」の大幕で、昨年納めさせて頂いたものです。


■ 裏地の良し悪しは、幕の耐用年数にかかわります

さて、自分の町内の幕の裏地がすぐに答えられる人はいますか?すぐに分かった人は相当なマニアだと自覚してください(笑)

山車幕の裏地の多くは「麻」が使われています。麻は羊と違い植物で、歴史も古く日本では古来より神聖な植物として大切にされています。

ところが麻のざんねんな性質のひとつに「縮みやすい」という欠点があります。主に水分により縮むのですが、織り方や糸の太さによって10%も縮んでしまうことがあります。

そうなると幕の場合どんなことが起こるでしょうか?大きく縮んだ裏地に引っ張られる形で表の羅紗が弓なりに突っ張ってしまいます。こうなると見た目だけでなく刺繍にも悪影響です。


しかしいつまでも麻の欠点を引きずり続けるわけにはいきません。祥雲で使用している麻は、糸の状態からしっかり染め、細かく織り込む方法で生地を作ります。

羅紗や刺繍だけでなく、裏地にもこだわりたいですよねぇ。

いいところをしっかり残し、短所を補った「麻」の裏地です。天然素材の良さです


■ 取り付けまでこだわってこそ”幕”

どんなに選び抜いた素材を使っても、素晴らしい技で刺繍を入れても、山車の取り付けに失敗しては玉にキズ。祥雲では、新しい幕が山車に合うよう、ある程度寸法を変えて製作しています。人にとっての服のように、取付姿にこだわってこそ”幕”です。

幕には取り付けるための金具が付属している場合があります。新しい幕は、当然これらの穴の位置を決め、あけなければいけません。現場での一発作業ですから、失敗できない仕事のひとつです。

山車の柱の穴の位置を採寸して、穴を決めていきます。この時点ではまだ取り付け終わった姿は想像のみ。

幕の金具の準備OKです。いよいよ山車に取り付けます。どきどきする場面です。。。

ピシッと幕の垂直が出てくれました(安堵)

写真の左側が山車の前方です。一番前の柱の肌を見せず、柱隠しと呼ばれるけやきの板にすこしだけ被せる。思った通りの位置に取り付けることができました。ヨカッタ~


こんな感じで祥雲は幕の製作から取付までさせて頂いています。ブログを通して少しでもお役に立てればうれしいです。ホームページ内の幕のページもぜひ覗いてみて下さい。修理方法、製作品についてご紹介しています。

それでは!

お問い合わせ

山車・屋台・神輿の無料点検、修理、メンテナンスなど行っています。山車の健康診断(無料点検)・修理計画の作成や助成金申請のお手伝いもしていますので、お気軽にご相談ください。

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