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彫刻のカビ問題

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こんにちは、祥雲です。

ついに梅雨入り。しかも例年よりも早いということで、長梅雨の予感・・・。

そうなるとカビの発生がいつもより多くなるかもしれません。なのに虫干しが雨で延期・・・お祭りが無いから1年間開けることもない・・・。そんなパターンにはまっていたら注意してください。

大切な彫刻を守るため、どんなことができるでしょうか。

■ 彫刻につくカビ

彫刻に発生するカビといえば、白いフワフワか緑のカビのどちらかが多いと思います。どちらも土の中にたくさん住んでいて、土ぼこりが舞う中で曳き回される山車の彫刻には実はたくさんカビの赤ちゃんが乗っかっています。そして、カビの発生条件である「温度」「水分」「栄養」がそろいやすい梅雨の時期、カビの胞子が育ち繁殖します。

だからまずは、お祭りが終わったら彫刻についているほこりや汚れをしっかり払っておくことが大切です。

方法としては、エアーコンプレッサーがあれば埃を吹き飛ばすのが一番簡単で手っ取り早いです。コンプレッサーは大げさだな~っという場合、100Vコンセントで使えるブロワーなどが売っています。

ブロワーを使えばその年のおまつりで乗っかったような新しい埃はだいたい飛んでいきます。

注意点としては、あまり彫刻に密着して風を送ると彫刻が折れて飛んでいく場合があります。遠い距離から徐々に近づけて埃を飛ばせる良い距離を見つけて下さい。難しくないと思います。

毎年お祭りが終わったら、ひと手間かけておくことでカビ予防できます。ぜひやってみてください。

【箱にしまっている場合】
濡れたままにせず、やっぱり埃は飛ばしておきましょう。新聞紙や布などの緩衝材も定期的に取り換えて濡れていないか確認しましょう。また、木箱は湿度を調整する機能がありますが、プラスチックケースは湿気がこもるので使わないようにしましょう。


■ カビが発生したらどうなるか

カビ発生する条件は「温度」「水分」「栄養」とさきほど言いましたが、「栄養」とは彫刻の「木質部」です。木を養分にそだつカビ菌・・・ほとんどしいたけ栽培状態です。カビは根を張りますから、彫刻の深部にどんどん食い込んで分解し、養分にしてしまいます。

きちんと管理され、木箱に収納してある彫刻は、江戸時代と思えないほどきれいに残っているものもありますし、昭和につくられたものでも徐々に風化しているものもあります。

管理によって雲泥の差が出ますから、せめてカビ対策だけはしておきたい事です。

【 参考 】カビの発生しやすいほかの条件
・山車蔵の床面が土である
・周囲に川があったり、山を背負っている立地
・蔵内に汚れたものや不要物が雑多に置かれている
・風通しが悪い
・建物がすでにカビている


■ カビ処理のやり方

まずは早めに見つけることが大切です。虫干しの日があるなら一番良いですが、梅雨の間・梅雨明けには目視で確認しておきましょう。

もしカビが発生していたら、まず写真を撮っておきましょう。それから「道具を準備」しましょう。

【カビ取りの道具】
ティシュペーパー(キッチンペーパー)
雑巾(薄手のウエスの方が使いやすい)
アルコール(75%以上)
綿棒
※カビ取り薬剤などはシミの原因になったりしますし、長期的な安全性が担保できていないのでおすすめしません。

さきにお伝えしておきますが、間違ってもアルコールスプレーをシューシュー吹きかけないでください

アルコールは殺菌効果が高く、揮発性も高いのでシミになりにくいですが、基本的には綿棒にしみ込ませて局所的に使うことを想定しています。

作業手順としてはシンプルです

①発生しているカビを取り除く
 ティシューや布で、カビを取り除きます。注意点としてはカビを塗り広げないよう、その部分だけをぬぐい取る要領でおこなうことです。
 ゴシゴシこするとカビを木の深部に押し込む可能性があるので、あまり強くこすらないようにしてください。この時点で多少きれいにならなくても後で除菌しますから、ガマンしてください。 
②カビのあった場所を殺菌する
 綿棒にアルコールを染み込ませて患部を殺菌します。綿棒は同じ面でこすっているとすぐに毛羽立ってしまうので、コロコロ転がすようにして木部に当てて下さい。ちまちました作業ですが、先人が残してくれた大切な彫刻です。カビのあった場所よりもすこし広めに殺菌しましょう。
 アルコールを塗布出来たら塗った部分を確認してください。ビショビショにしてしまっていませんか?水たまりができるほど濡らす必要はありません。アルコールは気化するときに殺菌してくれますので、しっかり乾いたのを確認しましょう。
③周囲をきれいにして、空気を入れ替える
 これは作業の前でも構いません。湿度の高いこもった空気を入れ替えましょう。温度・湿度計をおいて、モニタリングすることも長年の経験知になります。
 今はまだカビていない部分も、翌日にカビてしまう可能性もありますから、やっぱり予防活動と環境を整えることが大切ですね。

■ まとめ カビ問題と対策

 カビとは?
 一、カビ菌は土の中に多く住んでいて、土ぼこりなどを介して彫刻に降りつもる
 一、「温度」「水分」「栄養」の条件がそろった時、発育・繁殖する
 一、彫刻はカビが育つ「栄養」であり菌によって分解されてしまう。彫刻の傷みが進行する原因になる。 
 発生したら?
 一、発生したら写真を撮っておき、道具を揃える
 一、カビを慎重に除去して、その後アルコール&綿棒でコロコロしながら殺菌する
 一、他の部分も確認する
 一、換気して空気を入れ替える 
 予防のために
 一、お祭りが終わったらブロワーなどを使い、埃を飛ばしておく
 一、彫刻・梱包材いずれも十分に乾いていることを確認する
 一、虫干しをする(少なくとも、目視による確認はしておく)  

特に今年はコロナの状況下、山車を二年も見ていないなんてこともあるかと思い、こんな記事を書かせていただきました。まだまだ2021の梅雨は続きそうです。大切な彫刻がカビなんかに喰われてしまうのはとても悲しいことです。ぜひ皆さんの手で守ってください!

それでは!

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