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龍の設計図(2/2) ~越えていこう、川越~

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こんにちは、祥雲です。

今年は年始からずっとずっとコロナコロナで、いよいよ年末まで駆け抜けてしまいそうです。日常の距離感はソーシャルディスタンスで変わってしまいましたが、親しい人同士の”いい距離感”まではなかなか変えられないですよね。

さて、前回の投稿からしばらく、川越は旭町三丁目の箱棟の龍の製作のお話です。写真が多くなってしまったので2部構成になりました。

前編は>>こちら<<

■ 取り付け角度の吟味

さて、この写真に小さく映っているのが例の試作品の龍です(詳しくは前編をごらんください)。写真は下から撮影したものですが、だいたい地面に立っている人の目線で見た角度です。

ちょっと、目が合わなくてあっち向いちゃってる感じで迫力がありませんね。。。どれだけ細部にこだわって彫刻をしても、見る人の心に迫ってくるものがなければ良さは半分も伝わりません。

■ 下絵、書き直しっ!

上の龍がオリジナル、下が実際の下絵です。顔の位置が違うのがわかります。地上から見上げる人間を見据える角度に調整しました。この角度の検討をしていないために明後日の方向を向いている彫り物は本当にいっぱいあります。

■ いよいよ仕上げ、完成!

台の上面が箱棟の高さ。顔がかなり下を向き覗き込んでいるのがわかります。このあと漆の下地を施し、金箔を押すので、エッジを立てて深く彫り込んであります。

龍とセットになる鬼板も新調。雲の上から地上を見下ろす雲龍となりました。

この方が全貌が分かりやすいでしょうか。鬼板の紋も入り、箱棟側面の彫刻も入りました。・・・ん?龍の色がおかしいって??・・・これは漆下地を付ける前に木地固めのため生漆を摺ってあるんです。一瞬だけの貴重な姿?かもしれません。

■ 龍の目線で川越祭りを楽しむ!

さて、ここからは龍の目線となって川越祭りを楽しんでください!大工方として山車に乗らせて頂いた時に撮らせてもらいました。貴重な写真たちです。

大きな空襲が無かった川越は江戸の風情を今の時代に残し、小江戸川越と呼ばれます。もともと江戸城にあって川越に移築された建物などもあります。

川越まつりの熱気、いいですね!ぜひお祭りに足を運んで「信綱の山車」箱棟の龍を見上げてみて下さい。

■ 番外編 ガード下をくぐるの巻

旭町三丁目の山車にはルート上に鉄道があるのでガード下を制限高いっぱいにくぐるという一大イベント(?)があります。見ている側は当たっちゃうんじゃないかとヒヤヒヤ。番外編としてかる~く(笑)ご紹介します。

問題のガードが登場!けた下4.1メートルはあまりに残酷。高架や電線は7m以上って法律があればよかったのに(暴論)

くぐるまえに高欄を外し、地上へおろします。そして箱棟の龍もこの時ばかりはひとやすみ。屋根の脇へと移します。

うほおっ~低っ低っつっ、つお~おっおっぉ~(笑)

ほんとうに十数センチのレベル。実は龍を取り付ける以前に、数センチだけ低くなるように板を削るなどの努力をしていましたから、その甲斐もあって安全にガードをくぐることができました。

さぁ、皆さんも一緒にくぐりましょう!うほおっ~低っ低っつっ、つお~おっおっぉ~

■ 越えていこう、川越

さて、番外編をおもしろおかしく書いてしまいましたが、やはりお祭りのゾクゾクソワソワするような雰囲気はその場に行かないと感じられませんね。

これは新型コロナウイルスで影響を受けている事業者や団体が活気ある経済・観光・そしてお祭りの未来に向けて作られたコンセプトポスターです。

旭町三丁目信綱會の皆さんが発信するポスターで貴重な1枚を送って頂きました。写真は曳っかわせの瞬間を撮ったもの、龍の背から活気ある川越祭りの様子が映っています。

さてさて、二部構成となり長文散文にて失礼をいたしました。ぽちぽちいろいろ更新していきますので今後ともよろしくお願いいたします、それでは!

前編はこちら

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