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龍の設計図(1/2) ~京都祇園から川越へ!~

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こんにちは、祥雲です。

今回はおまちかね彫刻のご紹介。山車の箱棟(はこむね)に鎮座するみんなだいすき「龍」の彫り物です。

ところで、箱棟というのは、一般的な住宅の屋根にもある「棟」が箱型になったもの。瓦屋根ですと、何枚も瓦を摘んである屋根の頂点です。

山車の場合は、正面に唐破風を見た場合、奥行の方向に向かって棟が伸びていますから、その上に乗るということです。~っとまあ、講釈はこれくらいにして作業工程を見ていきましょう!

■ まずは木材選び

彫刻は彫るところがスタートではありません。祥雲では10年以上天然乾燥させた材を豊富にストックしています。本当に使える材料にするには、反りや捻りなどのクセを出し切らなければいけません。

材料保管所には、ケヤキ・ヒノキをはじめ、樫・クリ・楠・タモ・黒柿・黒檀などの材料があります。

例えば、3寸(9cm位)で決まりの寸法にしたい場合は、5寸(15cm位)の板にしておき、寝かせているうちに反りや捻りなどの”狂い”が出ます。

それからもう一度挽いて、再び乾燥させ様子をみます。この辺で節があったり割れていたりすると使えません。木の事だけはしょんないね(仕方がないね)と言って残念な顔になります。

■ 龍の形を木取り

先程の写真で何の木か分かった方は素晴らしいです。今回は漆金箔仕上げとなるためクスノキが材料です。

おおよその部材をざっくりとした輪郭で切り出します。

当然ですが、真っ平らな板から切り出しているので、今は本当にただシルエットだけです。

■ 荒彫り

肝心要の荒彫りです。ここで彫刻の姿かたちが決まります。仕上げよりも大切です。

まだうろこのない胴体。これでも全長80センチほどあります。重量感のある龍になりそうです。

髭や目の彫り込みも進んできました。だんだん龍の表情が決まってきましたね。

一番太い髭の抜きも終わりました。

荒彫りが終わり、いよいよ仕上げに入っていきます。

鱗を一枚一枚彫り込んでいきます。あの川越まつりで曳き廻される山車の龍ですから、自然に気持ちも入ります。

胴体と首の接合部分は”ありほぞ”になっています。

■ 龍の設計図 ~京都祇園から川越へ!~

さて、仕上げの前にこの龍の出生の秘密をお話ししておきましょう。

実はこの龍の”頭部”は京都祇園祭で御披露目される可能性のあったものなんです。というのもその当時京都祇園祭の「大船鉾」龍頭の製作公募があり、これに挑戦しました。

表情・目線・取付角度まで考え熟考し試作品を製作しました、、、が!残念ながら選んでいただくことはできませんでした。それ以来ずっと、この渾身の龍、いつか空を縦横無尽に飛翔させたいとずっと思ってきました。そこに頂いた川越でのご縁…というわけです。下絵を一から書き直し、完全アップデートした龍をついに作れる!この思い伝われ~っ!

■ 話が長くなりました(ペコリ)

・・・さて、ちょっと長くなってしまったので、続きは後編ということで。近いうちにアップしますので、ぜひ楽しみに待っていてくださったら幸いです。それでは!

(20/10/02)後編できました!龍の設計図(2/2)~越えていこう、川越~

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