■ 漆は大切なモノを次世代へ伝える技
漆と日本人の歴史はなんと10000年。縄文の遺跡から漆製品が出土しています。文字よりも早く漆の技がありました。奈良の阿修羅像も、お父さんのお椀も、漆が無ければ作ることができません。日本人の歴史は漆と共に今に伝わってきたと言っても決して大げさではありません。
■ 漆の命は下地にあり
漆=「ツヤのある黒」というイメージがあるかも知れませんが、それは表面だけのこと。作業工程は30以上にもなり、その大部分は下地から中塗りにあります。堅牢な下地があって初めて表面が美しく、丈夫に仕上がります。
■ 木を守る”漆のチカラ”
漆は5年程の時間をかけて最も硬くなり、つやを保ちながらタイムカプセルのように百年単位で木を守ります。たとえ上塗りがキズになっても、丈夫な下地があれば数工程戻って塗り直し修理ができます。
■ 山車に漆が使われる理由
漆はその耐用年数の長さを多くの文化財が証明している唯一の塗料です。ご先祖様が作り、我々そして子や孫へ世代を超えて残る「想い」が込められています。今の時代、色々な塗装方法が選べますが、祥雲では”漆のチカラ”を信頼し、堅地下地にこだわり、”大切なモノ”を後世に残したいと思っています。
「漆工」施工例
中泉西町「鑾留閣」(静岡県磐田市)
建立より百年。全解体の上、ゆるんだ仕口を締め直し。漆・錺金具・彫刻すべてを修理しました。黒漆に金箔押しを中心に白檀(びゃくだん)塗りや螺鈿など、多彩な漆芸が施されています。
岡田中組「雨車」(愛知県知多市)
建立は文化11年(1814年)と200年以上の歴史を持つ山車。前山の漆塗り・彩色の復元新調を行いました。
根堅三星社(静岡県浜松市)
建立より60年以上経過してからの漆塗りです。改修工事の様子は >>こちら<<
新町区山車(静岡県掛川市)
建立より70年越しの漆塗りを行いました。
尾張横須賀 北町(愛知県東海市)
文政10年(1827年)建立の名古屋型の山車「楓童車」。三味線胴と高欄を塗り直し、豊富な錺金具も修理し、きらびやかな姿が蘇りました。
下半田南「護王車」(愛知県半田市)
建築塗装「井伊家御霊屋」
大河ドラマで脚光を浴びた井伊家の菩提寺「龍潭寺」は静岡県浜松市引佐にある遠州の古刹。御霊屋は井伊家の霊廟でお位牌を安置している建物です。古建築の改修工事の漆工事として施工させていただきました。床から天井まで総漆塗りで、下地からの全工程と、仕上げの全てに「国産漆」を使用しています。
お問い合わせ
堅牢な下地と天然漆を使用した漆塗りで山車に合った塗りをご提案します。
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漆工事実績(抜粋)
【山車】
「雨車」(愛知県知多市)
「大塚新田」(埼玉県川越市)
「護王車」(愛知県半田市)
「世楽車」(愛知県常滑市)
「鷹尾連」(静岡県浜松市春野)
「長北車」(愛知県知多郡武豊町)
「信綱の山車」(埼玉県川越市)
「楓童車」(愛知県東海市)
「鑾留閣」(静岡県磐田市)
【神輿】
「静岡浅間神社鳳輦」(静岡県静岡市)
「平尾八幡宮神輿」(静岡県菊川市)
「住吉神社神輿」(愛知県半田市)
【建築】
「井伊家御霊屋」(静岡県浜松市)
「平林寺仏殿壁」(埼玉県新座市)
※五十音順