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彫刻おひろめ!飛龍に鯉、なみちどり

ブログ

こんにちは、祥雲です。

秋も深まり温暖な静岡もけっこう寒くなってきました。本来なら川越まつりが行われているはずだった10月第三週に行われた彫刻お披露目会についてご紹介したいと思います。

仙波二郎の山車

(写真は川越まつり公式HPから拝借)

鎌倉時代、源頼朝の御家人として活躍した仙波二郎安家(せんばじろうやすいえ)の名を冠した山車。川越型の四つ輪、正面に唐破風、回転台にせり上げ鉾、山車人形が乗ります。

今日はこちらの山車彫刻のおはなしです。

■ 人生には感動とサプライズが必要

のっけから大仰な見出しですみません💦

今回作らせて頂いた彫刻は「脇障子」「腰彫」の2か所、計7枚。「脇障子」は袖障子とも言いますが、神社の縁側を歩いていくと仕切り板に当たりますよね、あれが脇障子です。

(インターネットにかっこいい写真がありました)

仙波二郎の山車にも左右に一枚ずつ脇障子があります。板がはめ込んであり、彫刻はありませんでした。前面はよく見えますが、背面は柱があるのでほとんど見えません。

正面向かって左側

元々、おもて面だけのお仕事でしたが、やっぱり人生には感動とサプライズが必要。仙波町のみなさんに喜んでもらいたい想いがやがて過剰な前傾姿勢(笑)になり「裏面も彫っちゃお!」ということに。

経理担当は悲しい顔で電卓ポチポチしつつも、こんな心意気で仕事をしていると感じてもらえたらうれしいです。


■ 火伏の「飛龍」繁栄の「鯉」

脇障子は左に「飛龍」右に「鯉」と決まりました。

「飛龍」は一見「足が無くて翼がある龍」ですけど、龍とはちがう霊獣でその意味合いも異なります。

翼を持ち、水を司るため、波と共に描かれ「火伏(ひぶせ)」の意味をもっています。

なんでいきなり養命酒??!!、、

だってここにいるんですよ・・・

飛龍が(私も最近知りました)

次に「鯉」は激流を登る「鯉の滝登り=登竜門」です。この滝を登り切った鯉は金色に輝き、やがて龍となるという伝説、聞いたことありますよね?

(地元静岡の見送り幕として製作した幕「登竜門」)

つまり飛龍は仙波町の安泰と安全を、鯉はますますの発展をそれぞれ願いとした彫刻です。

では、今回新調しました彫刻です!

ちょうど養命酒のロゴに使われている飛龍に近い構図でしたね。

写真見切れていますが、口からあぶくを吐き出している下の鯉も面白いです。ぜひお祭りに足を運んでみてください。ブクブクブク


■ コウモリ日本じゃ縁起物

さて、こちらが脇障子背面の彫刻「蝙蝠(コウモリ)」です。

??えっと、、、コウモリさんはどこっすか?

いましたいました!

背景の雲はけやきですが、コウモリは鉄刀木(たがやさん)で彫刻し、仕上げに漆を摺ってあります。鉄刀木はもともと黒っぽい色をしていますが、漆によって黒に深みと光沢が出て、コウモリっぽい質感を出しています。

蝙蝠(コウモリ)というとヴァンパイアとか、バットマンみたいなダークなイメージがありますがそれは西洋の話でここは日本。コウモリは多福の象徴で縁起物のひとつです。

ちなみに、祥雲のロゴにもコウモリを使っています。

左右にコウモリが飛んでます(気づいていた人はいるのだろうか・・・?)


■ 披露会

去る10月、お披露目は仙波町会館でおこなわれました。

入口はいってすぐ正面のところに展示をしていただきました。

さて、こちらは腰彫の「波千鳥」。その名の通り、波にたくさんの鳥が舞っている構図です。「チドリ科の鳥」は日本の浜辺に実際にいる旅鳥で、「千鳥」はいわば総称です。古くからさまざま、写実的なものから可愛いものまで幅広く、彫刻だけでなく手ぬぐいや和雑貨など広く使用され親しまれています。

飛龍と鯉の展示です。材料はけやき。この展示台、実は機能的で、外したらそのまま山車に取り付けられるようにしました。何しろ明日の朝から取り付け工事なので💦

こんな時節柄。あまり人寄せもできないので、町内の方向けという形で開催。お祭りができない分、披露会にかける想いには、町内のみなさん熱いものがあったと思います。喜んでもらえてよかったです。


■ 翌日、すぐ取付!

おはようございます!

仙波町会館からすぐ近くの山車蔵にて、さっそく取り付け工事スタートです。

先ずは飛龍の脇障子を・・・

ぴたっ!っと取付(実際は全部終えるのに半日かかりました💦)

こちらは山車背面。高欄下の腰板の部分へ波千鳥の彫刻を・・・

嵌め込みました。ひとつ上の写真をみるとわかりますが、間に2本、縦に束が入っています。彫刻の裏側でこの束に当たらないように「欠いて」あります。これを当日やるのは困難きわまりないので、事前にちゃんと型取りをしておくのが肝心です。

さあ、最初から承知していたことですが裏面のコウモリ、半分くらいしっかり隠れてしまいました。着物の裏地にこだわるように外さないと見えないっていうのも「祭りの粋」だと思いませんか?

■ 川越まつりでぜひ見て下さい

彫刻についてブログを書くとお決まりの終わり方なんですが、ぜひお祭りで足を運んで見てみて下さい。

そして、仙波町のお祭り人がこの彫刻について自慢して、それを聞いてもらえたら祥雲としてはそれ以上のうれしい事はありません!

この場を借りて仙波町のみなさまにお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。


さて、相変わらずの駄文長文を読んでいただきありがとうございます。来年へのいろいろな期待を込めつつ、このへんで終わりたいと思います。

それでは!

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コメント

  1. 安田一平善昭 より:

    先日はありがとうございました。
    憧れの彫刻が入って、町内一同感激しております。
    見積もりに無かった脇障子背面まで、とても感謝しております。
    町内をまとめるのが大変ですが、
    まだこれからやる事の方が多いので、また相談にのって頂けると有難いです。
    m(__)m今後ともひとつよろしくお願い致します。

  2. shown より:

    こちらこそお世話になりました。
    安田さんをはじめ若い方々にたいへん積極的にご協力を頂きとても感謝しています。
    今後共末永くよろしくお願いいたします。
    山梨

  3. 栗原さとし より:

    お披露目会では大変お世話になりました。わざわざ静岡からお越しになり感謝申し上げます。ありがとうございました。
    立派な彫刻が山車に取り付けられて、とても誇りに思います。
    今後もよろしくお願い申し上げます。
    栗原さとし

    • shown より:

      メッセージ頂いてありがとうございます。
      お祭りが軒並み中止になる中で我々もお祭り人とお会いできるのは励みになります。
      今後ともよろしくお願いいたします。
      山梨