こんにちは、祥雲です。
あたらしい一年がはじまりました。今年は丑年ということで、たとえ歩みがゆっくりでも、一歩一歩しっかりと進む一年にしたいと思います!
さて、お正月にさっそく祥雲のお仕事を新聞記事に取り上げていただくという嬉しいニュースがありました。
「山車修復」「伝統の技」「静岡まつり:静岡浅間神車廿日会祭」「100年ぶり漆塗り直し」
・・・と、伝えたいことがすべて伝わるすばらしい見出しで記事にしていただきました。
記事内でも紹介していますが「堅地天然漆(かたじてんねんうるし)」という塗り方で修復をしています。
これが、現在作業している静岡浅間神社の山車、三台分の高欄です。キズをつくろって刻苧(こくそ)を充填し木地を整えた状態です。
和紙を貼り、その上から下地になる漆を塗り定着させています。この茶褐色のものが漆です。
この方法、文字で書くと簡単ですが実際に行うのはたいへん!この間なんか京都で「まだそんなやり方でやってはりますの??」と言われたくらいですから・・・。
下地から上塗りまで漆で塗るという事はほんとうに今ほとんど施工されていないというのが実情です。
さて、こちらは宝珠柱(ほうしゅばしら)。右のトレーを見ると、茶色のドロドロのまわりに黒い乾燥した漆がみえます。こうした色の変化は漆の特性です。
塗ったばかりの色とはちがうのがわかります。色が黒く濃くなっています。
うるしが乾燥してカチカチになった状態。ここから更に下地付けをしてようやく中塗りへ進めます。漆は下地が7割。そして仕上りの良しあしも下地で決まります。
多くは大正時代に建立された静岡浅間神社の山車。昭和から平成の修理でペンキ塗りにされてしまったという、なかなかの苦労人です。神社にふさわしい姿にすこしずつ戻してあげたいです。
いくつもの文化財がその丈夫さ・堅牢さを証明している「堅地天然漆塗り」。この伝統の技で山車を修理し次世代へ伝えることの大切さが皆さんに伝われば2021年の目標は達成です!
決してお祭りの灯りを絶やさないよう、研鑽を重ねたいと思いますので、今年も祥雲をどうぞよろしくお願いいたします。
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