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祥雲の ”山車修理” の考え方

いつまでも安全に、祭り文化をつなぐ


一、まずは、材料ありき

山車は100年を超えて曳き回される ”祭礼の道具” です。そこに使われる木材の「良し悪し」は山車の寿命に大きな影響を与えています。 ”100年使うモノにはそれ以上生きた木を・・・” だからこそ、祥雲では自分の眼で選んだ大径木を購入し ”天然乾燥10年以上” を基本にストックしています。

長く使うモノだからこそ、反ったり割れたりしない材料を用意しておく。これが「山車修理のすべての基本」と考えています。


二、文化財修理の経験に裏打ちされた伝統技法で山車を修理しています

祥雲が一般の宮大工さんたちと違うのは、創業からおよそ100年 ”古いモノや大切なモノ” を修理し続けてきたことです。これらは「木工」「彫刻」「漆」「金具」「布や糸」など ”伝統工芸の集合体” でした。

山車もまったく同じ。「文化財・工芸品を修理するエキスパート」である祥雲の山車修理は ”さまざまな工芸分野をトータルで扱うことができる” それが私たちの長所であり、これからの時代に求められる山車修理だと考えます。


三、きちんとした調査に基づく、むだのない修理

部分的な不具合には、かならず複合的な原因があります。こわれた部分だけを直しても、また同じように壊れてしまった・・・これは何度も私たちが目にしてきた ”残念な思いつき修理” です。

長く使うモノだからこそ、きちんとした調査・点検をして、その山車に合わせた「修理保存計画」を立てています 「何を」「どの順番で」「どんな方法で」修理していけばよいかという道すじを立てたものです。

中長期の計画をもとに、担当者が代わっても同じように山車を守っていくことができる指標にして頂きたいと思います。


四、手間はできるだけ”掛ける”もの

現代社会のものづくりは、できるだけ手間を省き、工程を減らし、安く早くで「進歩」してきました。ところが ”古いモノ=大切なモノ” の修理を目の前にすると、どうやっても簡単な方法はありません。そのモノがつくられた方法と素材を知ることから始め、時には新しく作るよりも手間を掛けて修理をします。

「おたくはのんびり仕事ができていいね」なんて言われたこともありましたが ”手間は惜しむものではなく掛けるもの” と信じて仕事に取り組んでいます。


五、山車の持ち味を最大に引き出す ”木彫刻” と ”漆塗り”

山車装飾と言えばこのふたつ。祥雲は彫刻専門と思われてしまうほど得意としている分野です。漆塗りも ”天然漆” だけを使った昔ながらの技法で手間を掛けて仕上げています。

彫刻も漆も、山車全体をトータルで見る視点がなければ、山車の持ち味を活かすことはできません。彫刻には逸話と意味合いがあり、その町が持つストーリーや歴史の中から題材を決定します。漆にも邪を払い安全・息災を祈る意味があります。それぞれに明確な意味を持たせることで、もっと山車を好きになって、自慢できる。お祭り文化がいつまでも続く一助になってほしいです。

山車を構成している ”素材” や ”技法” もまた、伝統文化の継承という大きなくくりの中に含まれている「修理業者に求められる責任」だと感じています。

六、私たちは 祭屋台等製作修理技術者会 「選定技術者」です

ユネスコの無形文化遺産に全国33の山車行事が登録されたのは記憶に新しいと思います。 ”選定技術者” とは33の山車行事で曳き回される「山車の修理」を請け負うのに十分な技術と実績があると認められていると理解して頂ければと思います。この会は40年ほど前に文化庁の指導の下で発足した全国組織。技術を保存し、次世代に伝えることを目的としています。

私たちもこの会を通じ、全国の職人の技やノウハウを学び、常に仕事に活かすよう努めています。


七、展示会や教育現場でのとりくみ

山車をつくりあげている技術・技法に触れる機会を・・・という趣旨のも ”展示体験会(祥雲展)””大学での講義” などなど、ふだんの仕事以外の活動にも積極的に参加しています。

日本人が長い時間をかけて培ってきた ”精神性が形になったモノ” の数々を学生さんやお祭りファンのみなさんに触れていただく取り組みを続けています。


最後にふたたび、山車修理の考え方について

山車はそこに住んでいる人々の精神性が長い時間をかけてかたちになったものです。豪華さ、派手さを競い合った時期もありましたが、ご先祖さまや当時の職人の想いを考え尊重することが大切になってきました。そしていまの私たちが考えることは、次の世代にどんなかたちで引き継いでいくかということだと思います。

祥雲の山車修理の考え方の根本には ”山車という道具と共に、お祭り文化をいつまでもつないでいきたい” という想いがあります。


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