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岡田地区中組「雨車」(愛知県知多市)

岡田地区中組「雨車」文化11年1814年建立。四輪外輪、せり上げ二層式。知多市の指定文化財に登録。正面に壇箱・四本柱・唐破風を配す。彫刻は壇箱の力神と牡丹に獅子を始め瀬川治助重定の作。彩色・金箔・総漆塗りの壮麗な山車の改修工事をご紹介します。

■ まずはイケメン力神の紹介から!

まずはイケメン力神の紹介から!

ぜひ拡大してその鋭い眼光、引き締まった口元を見てください。知多半島の力神というとムキムキで少々人並外れた姿をしていますが、雨車は”力人”と言えるような柔らかくも力強い肉体をしています。初めて山車の調査に行った時からこの彫刻にひとめぼれ。この角度がいいんです!

■ 彫刻修理-玉眼を亡くした獅子-

彫刻修理-玉眼を亡くした獅子-

壇箱中央の獅子は、玉眼(ガラスの眼)を失い、顔半分が作り変えられていました。吹きガラスで復元しましたがこれが大変。建立時はガラスに合わせて彫刻すれば良いのですが、今回は“彫刻に合わせてガラスを吹く”ことになりました。でも苦労の甲斐があって精悍な表情が戻りました。

■ 彩色画 復元新調 -雲龍-

彩色画 復元新調 -雲龍-

指定文化財として登録されている雨車。“根拠のある修理”を行うため、天井画“龍”の復元には和紙の種類の調査を行いました。楮(こうぞ)の和紙の三層構造であることが分かり、同種の和紙で新たな龍を描き出しました。

天より見下ろす雲龍

天より見下ろす雲龍。見上げて見ると龍の持つ迫力がひときわ強く感じられます。ぜひお祭りで見上げてみてくださいね。

■ 漆 -カシューの下から本物の漆-

漆 -カシューの下から本物の漆-

カシューとは、漆に代用品として生まれた塗料です。今回の工事で最も苦戦したのがこのカシューを剥がす作業です。壇箱・虹梁・破風・彫刻すべてに吹き付けられ、削り落とすのが重労働。カシューの下から本物の漆が顔を出しました。祥雲では歴史がその強さを証明している漆塗装を信頼し行っています。漆の上には漆を塗りましょう。

■ 柱ほぞの増し締め、構造強化

柱ほぞの増し締め、構造強化

漆・彫刻の修復から始まった今回の工事ですが、台輪に入る柱ほぞの緩みが酷く、ほとんど“効いていない”状態でグラグラ。せっかく壇箱を作り直してもこの揺れですぐに傷みが来てしまうので、急遽山車全部をお借りして締め直しをしました。予算には入っていませんが、やるべきことはやる。これが大切です。

壇箱本体・彩色画はすべて復元新調

壇箱本体・彩色画はすべて復元新調。金具は左がオリジナル、右が復元新調。壇箱の下の腕木は復元新調ですが、後方に伸びるほぞを二番目の柱まで伸ばし掛けるよう変更して、前山を支える力を高めています。

まつりびとの情熱

昭和~平成で漆以外の塗料が飛躍的に進歩しましたが、結局は日本の塗装は漆塗りが原点で、大切なものを塗るにはやはり漆に立ち返る、いうことを強く感じたお仕事でした。町の皆さんも立派で気持ちの良い方々で、まつりびとの情熱には職人は決して勝てないなぁとつくづく思いました。

お問い合わせ

山車・屋台・神輿の無料点検、修理、メンテナンスなど行っています。山車の健康診断(無料点検)・修理計画の作成や助成金申請のお手伝いもしていますので、お気軽にご相談ください。

メールまたはお電話でお返事させて頂きます。

工事内容一覧

【木工事】

(新調)壇箱(檜材)
(新調)腕木(檜材)
(新調)太平鰭(檜材)
(修理)前山屋根
(修理)柱ほぞ締め直し

【彩色】

(新調)上山天井“雲龍”
(新調)上山太平鰭“桐”“鳳凰”
(新調)前山天井“飛龍”
(新調)壇箱框“龍”“波”

【彫刻】

(修理)彫刻一式 瀬川治助重定作 ※獅子玉眼復元を含む

【漆工事】

(新調)壇箱
(新調)腕木
(修理)唐破風屋根廻り一式
(修理)四本丸柱
(修理)箱棟

【金具工事】

(修理)壇箱・前山金具一式
(新調)壇箱金具一部

【御簾・房】

(新調)前山御簾・房

【綱】

(新調)楫棒綱

【懸装品】

(新調)総金箔三宝
(新調)のし口
(新調)のし口瓶

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