■大切な「モノ」を修理する仕事
お祭りの山車・神輿や社寺建築は、長い時間を経て日本人の精神性が洗練され形になった「モノ」だと考えています。長く修理しながら使い続けることを前提に作られたそれらは、確かな素材と技術で作られ、百年、二百年と大切に伝承されてきました。だからこそ、修理が必要になった時、私たち技術者は学んできた知識と高い技術の手仕 事で応じなければなりません。それは、皆さんから依頼を受けた大切な「モノ」であることはもちろんのこと、建立した職人達に恥ずかしくない仕事で応えたいという思いと、負けるものか!というプライドがあるからです。山車・神輿などの「工藝品」は、実に多くの工藝分野の技術で成り立っています。 修理中、過去の名もなき職人の素晴らしい手仕事に驚かされることが少なくありません。現在では入手できない原材料であったり、解明できない調合であったり、込められた手間と技術に頭が下がるばかりです。
ただ、それらの素晴らしい仕事も、「モノ」を伝継してきた皆さんと私たち修理技術者が共に学び・正しく理解し・後世に伝えていかなければ、この世から消えてしまう危うさを持っています。もともと漆塗りだったものを、手間の掛からない吹付の塗装を行ったため、見る影もなくなった彫刻。水銀鍍金の美しく貴重な被膜を削り取り、電気メッキの安易な修理を行ってしまった錺金具。薬品を使って洗浄してしまったために変色してしまった木地彫刻。正しい知識を持たず、手間や労力を惜しみ、誤った修理をされたばかりに、取り返しのつかない状態となってしまった事例は数多く存在します。先人が残した大切な「モノ」が持つ魅力は、正しい知識に基づいた伝統技法によって初めて後世に残すことができるのです。私たちは修理を通して、皆さんの山車をいつまでも郷土自慢の「大切なモノ」として後世に伝えられていくよう、日々精進して修理に向き合ってまいります。
所属団体
- 祭屋台等製作修理技術者会 認定技術者
- 日本伝統建築技術保存協会
- 川越市文化財保護協会
- 静岡県文化財保存協会
- 静岡県民族建築技術協会
- 静岡文化芸術大学 非常勤講師
祥雲
設立年月日 | 平成17年5月9日 |
資本金 | 3,000,000円 |
代表者 | 山梨由博 |
本社住所 | 静岡市駿河区八幡3-18-20 |