龍潭寺の漆喰土塀修理 - 井伊家ゆかりの静かな佇まいを守る仕事

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祥雲です。いつもブログを見ていただいてありがとうございます。今回は遠州の名刹「龍潭寺」漆喰土塀修理についてご紹介します。

■ 土塀が伝える歴史

静岡県浜松市井伊谷にある龍潭寺(りょうたんじ)は、奈良時代に開かれたと伝わる遠州の古刹。
平安時代から井伊氏の菩提寺となり、戦国時代には井伊直盛・井伊直虎・井伊直政など、井伊家の歴史と深く結びついたお寺です。

境内には、井伊家歴代の位牌が安置されたお霊屋・小堀遠州作の庭園・江戸時代に建てられた本堂・山門・鐘楼などの見どころがたくさんあり、落ち着いた空間で歴史を感じられるお寺で訪れる人も多いです。

さて、今回の主役である漆喰土塀は、作られた年代がさまざま。特に古いものは風雨にさらされ続けたことで、漆喰が剥がれ、土台の土が露出していました。今回、その土塀の修理を担当させていただきました。

■ 修理前の状態

写真をご覧になってわかるように、土塀は内部に土、外側を漆喰で仕上げ瓦屋根を乗せる構造です。土壁は重さと強度を出すために瓦と土を交互に重ねているのが崩れた面からわかります。かなりの傷み具合が見て取ることができます。このように漆喰が剥がれ落ちたり、内部が露出していたりすると雨水の侵入などを許してしまいますので、加速度的に劣化がすすんでしまいます。漆喰が残っている内部についてはまだ酷い痛みは無いと期待します。

■ 修理工程

今回の修理をざっくりと示すと以下のようになります

  • 古い漆喰を掻き落とす
  • 土塀内部(躯体)の修理
  • 定規筋(横棒)取り付け
  • 漆喰塗り

漆喰は石灰を主成分としているので白く美しい仕上がりを得られます。アルカリ性のため防カビ作用もあり、湿度の高い我が国では必然的に使用されてきたのでしょう。

古い漆喰面は残念ながらすべて掻き落として内部の躯体を修理しなければいけません。内部の躯体各所の痛みはかなりのものでした。これからも長く立ち続けるため、躯体の修理は今回の事業の要となりました。

漆喰を掻き落とした際に、一緒に崩れるべくして除去した部分を踏まえて躯体を修理していきます。下地が出来上がったら中土を塗りつけします。

徐々に古刹の風格を備えた佇まいとなって参りました。ここから漆喰塗りつけの工程が続きます。

なお、ブログだとトントン作業が進んでいるように見えてしまいますが、十分時間をかけて乾燥させてから次の工程に移っていますので、見た目以上に時間がかかっております。

■ 定規筋

お寺の土塀で、横すじが何本か入っているのを見たことがあるでしょうか。塀にはいろいろな種類があるのでわかりづらいのですが、お寺の土塀には「定規筋」という横すじの通った「筋塀(すじべい)」という種類の土塀があり、龍潭寺のこの塀はまさに「定規筋」の通った「筋塀」ということになります。

■ 漆喰塗りつけ

いよいよ土塀が輝く漆喰塗りつけの項となります。漆喰に色粉で風合いを調節し、塗り・合間の乾燥・塗り・・・を繰り返して塗りつけていきます。

■ 修理前 と 修理後

3つの画像をならべてみました。今回の修理では瓦屋根は生かしとして、躯体と漆喰塗りの修理となりました。

あめかぜ台風・春夏秋冬あついさむいと気候の変化に晒されながらもできるだけ長い間耐え続けてほしい。物言わぬ土の壁ではありますが、そんな願いを込めて修理を行わせていただきました。

== なお、今回は初めてAIにタイトルを考えてもらいました。良く調べてわかりやすいタイトルをつけてくれるものです。文章の方はまだ手打ちです ==

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